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 第46回 IrfanView



IrfanViewを勧める理由

「ソフ得!」の原稿執筆依頼があった当初から、予定稿のリストにIrfanViewは入っていました。
私が常用しているソフトであり、デジカメで撮影した写真画像の編集やWEBページ作成には欠かせないものだからです。
IrfanViewの優れているところは、ほとんどの操作がキーボードから瞬時に行えることです。
私は仕事上、PhotoshopもIllustratorもPaint Shop ProもFireworksもFlashも持っていますが、自分のサイトを作るのに使っているのはもっぱらこのIrfanViewです。作業時間が他のソフトの数分の一で済むからです。

IrfanView日本語版

(2004年10月31日追記)
このソフトを紹介した後、日本語版が配布されるようになりました。以前のように言語ファイル(日本語化キット)のインストールは不要になっています。
こちらから日本語版をダウンロードしてください。

IrfanViewのセットアップ



「ソフ得!」に関しては、ソフトの使い方などは一切サポートしないという方針ですが、例外的に、インストール方法から順を追って説明します。
まず、ここからIrfanView日本語版本体をダウンロードしてください。
本体の配布ファイルはインストーラー付きの実行ファイルですので、実行すればインストールが始まります。インストール先のフォルダだけはしっかり考えてからインストールしてください。
インストールダイアログ

↑インストールするフォルダをフルパスで指定する。右の「参照」ボタンを使えば入力しなくても指定できる。Program Filesフォルダでいい人はそのままでよい。
[書庫名でフォルダを作成]をチェックすると、指定したフォルダの下に配布ファイル名でフォルダを作成し、その中にセットアップします。
本体をインストールしたら、IrfanViewの本家のサイトからプラグイン(all_plugins.exe)をダウンロードし、インストールしてください。本体が先にインストールされていれば、インストール先は自動的に判別してくれるはずです。↓


プラグインのセットアップ
すべて済みましたら、IrfanViewを起動してみましょう。
インストール先のi_view32.exeが本体です。下のような画面が立ち上がると思います。

以下の説明用画像は、現在の日本語化されたIrfanViewと若干メニューの名称が異なっています。

ファイルの関連づけとプラグインの基本設定



ファイルの種類との関連づけは、後からじっくりやればいいのですが、一応簡単に説明しておきます。
オプション→基本設定→拡張子と開くと、IrfanViewに関連づけ可能な拡張子の一覧が開きます。
関連づけというのは、そのファイルをダブルクリックすると、自動的にソフトが立ち上がり開いてくれるということです。IrfanViewは画像だけでなく動画や音声にも対応していますので、いろいろ試してみてください。
IrfanViewは軽いソフトなので、現在重いソフトに関連づけされている画像形式などはIrfanViewに関連づけを変更すれば閲覧が楽かもしれません。↓
[送る]にIrfanViewを追加 をチェックすると、エクスプローラ上でファイルを右クリックしたときに出る「送る」メニューにIrfanViewが加わり、非常に便利です。
関連づけ設定画面
次に、プラグインの設定で、ひとつだけ最初に済ませておきたいものがあります。それは「シャープ」というフィルターの設定です。
これはぼけた画像の輪郭や粒子を際だたせるものです。デジカメの画像補整では必ずと言っていいほど使う基本的なフィルターですが、IrfanViewの場合、初期設定値が大きすぎるのです。
画像→効果→フィルタの設定 と開いてください。
インストールされているフィルタの一覧が出ます。上から8番目くらいにSharpenというのがあるはずです。これを選び、右側の設定画面でValueを「5」くらいにしてください(デフォルトではもっと大きな値……確か「20」になっていたと思います)。
この数値が大きすぎると、いきなりものすごいシャープフィルタがかかり、微妙な調整が行えません。小さめにしておけば、何度も重ねてかけることで効果を何段階かに分けて使えるようになります。
IrfanViewのプラグインセットで提供されているSharpenフィルターの性能は極めて高く、Photoshopのアンシャープマスクなどと比べても遜色ありませんが、この初期設定を変更しておかないとかかりすぎてしまうので「使えないな」と判断してしまう人が多のです。忘れずに、シャープフィルタの値を「5」に直しておいてください。
アンシャープマスク(Sharpen Filter)の設定
基本的にはこれでOKです。
さあ、使ってみましょう。

基本的な使い方

デジカメで撮影した写真画像をWEB用に加工するという作業を例にしてみます。
まず、IrfanViewで編集したい画像を開きます。

1)トリミング
表示された画像の中でマウスをドラッグすると矩形に範囲選択できます。その状態でCtrl+Yを押すと、矩形の外側が切り捨てられ、選択した部分のみが切り取られます。トリミング作業はこれだけです。

2)リサンプリング
Ctrl+Rを押すと、リサンプリング画面になります。
幅、高さ、解像度などを入れてOKを押せば、その通りに画像が縮小されます。
「サイズ変更の方法」は「リサイズ」(速い)ではなく、必ず「リサンプリング」(遅い)にしてください。リサンプリングに使うフィルターも、極力上質なもの(動作が遅いもの)を選びましょう。遅いと言っても、普通の画像ならほんの0コンマ何秒の話ですから。
「アスペクト比を保存」(画像では「縦横比を維持」となっていますが、同じ項目です)にチェックが入っていれば、縦と横のどちらかを入力すれば残りは自動的に決まります。
通常は「アスペクト比を保存」ですが、20年前のスリムな体形に戻りたいというような場合は、自分の写真をこっそり縦長にしてみるのも一興でしょう。
リサンプリング画面

3)色調補正
Shift+Gを押すと、色調補正の設定画面が出ます。
デジカメで撮影した写真が暗い場合などは、ここで明るくします。よく「明るさ」をいじってしまう人がいますが、明暗は「明るさ」ではなく「ガンマ補正」で調整するときれいにいきます。私は「ガンマ補正」は必ずと言っていいほど調整します(たいていは明るい方向に)。
色味は赤・緑・青の3系統しかないので細かな補正はできません。「コントラスト」も、効果がはっきり出てしまいますので、写真の場合は多用しないほうがいいかもしれません。


4)自動色彩調整 Shift+Uを押すと、IrfanViewがその画像の色情報を収集し、明暗やコントラストなどを一気に自動補正します。日本語化されたメニューでは「自動色彩調整」となっていますが、実際にはガンマ補正なども行っているようです。これをやると地味な写真が劇的に美しくなることもありますが、極端に色味が変わって不自然になることもあるので、結果が悪かった場合はあっさりとCtrl+Z(Undo)で元に戻してください。


5)シャープフィルタ
最後にShift+Sを押すと「シャープ」フィルターがかかります。
右側にショートカットキーが表示されているメニューIrfanViewではこのフィルターはかけるかかけないかしか選べないため、初期値を低くしておくことが絶対に必要です。先ほどフィルターの初期値を8以下(お勧めは5)程度に設定したのはそういう意味です。
もっとシャープにしたい場合は2回3回とかければいいわけです。かけすぎたなと思ったらCtrl+ZでUndoします。

これで大体終了です。1つの写真画像をこの流れで加工していくのに、早いときは30秒もかかりません。大量の写真画像をてきぱきと処理していくのには、このIrfanViewがいちばん向いていると思います。
リサイズするだけなら数秒です。
ショートカットキーについては、ヘルプ→キーボードショートカットで一覧が出ますが、残念ながら英語です。(誰かが完全日本語化のHELPファイルを作って公開してくれればいいのでしょうが、ボランティアとしてやるには相当な労働ですね)
上のメニューバーからマウスでメニューをたどったときに表示される操作一覧で、右に出ているのがその場面で使えるショートカットキーですので、よく使う操作のショートカットキーを覚えておくといいでしょう(右図参照)。見ると分かるように、例えば、画像を右回転させるのはキーボード上のRを押せばいいだけです。

IrfanViewには他にサムネイル表示(アルバム機能)、デジカメのExif情報(撮影時の露光時間や絞り値などのデータ)を見る機能、スライドショーなど、実に様々な機能が搭載されていますので、じっくり試してみてください。
サムネイル表示においても、複数ファイルの一括コピー、移動、名前の変更などがやりやすく、下手な市販ソフトよりよほど高機能です。
「ファイル」メニューにある「一括変換 形式・名前」という機能では、複数ファイルの画像形式をまとめていっぺんに変更する(例えばBMPをJPEGに)ことも一瞬で行えます。もちろん、「名前をつけて保存」で、保存形式を変更すれば、そのまま画像の形式も変わります。JPEGの圧縮率やオプション形式(プログレッシブJPEGなど)も自在に変更・設定できます。
なお、デジカメとIrfanViewの連携については、狛犬ネットの中の「狛犬の撮影」というコーナーでも少し解説しておりますので、興味のある方はご参照ください。 こちら
■トラブルシューティング 1
動画(avi)を再生しようとすると「圧縮解除プログラム vids:mjpg が見つからないためビデオを利用できません」とメッセージが出て、再生できない(音だけが出る)ことがあります。
その場合でも、WindowsのMediaPlayerでは再生できるはずですが、IrfanViewでAVIを再生するには、MCMJPG32.DLLというDLLが必要です。
WEB上で配布しているところがありますので、ダウンロードして、このDLLをWindowsのフォルダに入れてください。
2008年5月20日現在、⇒ここからダウンロードできました。
ZIPファイルを解凍し、出てきたMCMJPEG.INF(セットアップ情報)というファイルを右クリックして「インストール」か、本体であるMCMJPG32.DLLをWindowsのフォルダに入れればOKです。

 このソフトのダウンロードはダウンロードサイトはこちらこちらから (現在、多くのフリーソフトが配布終了になっています。似たようなソフトが出ていないか、窓の杜やVECTORのサイトで探してみてください。) 


プラグインはダウンロードサイトはこちらこちらから (現在、多くのフリーソフトが配布終了になっています。似たようなソフトが出ていないか、窓の杜やVECTORのサイトで探してみてください。) 



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