『インターネット時代の文章術』立ち読み版

『インターネット時代の文章術』・立ち読み版


インターネット時代の文章術    書 名:『インターネット時代の文章術』
   著 者:鐸木能光
   版 型:A5版単行本
   版 元:SCC(99/9)
   価 格:1,600円
   ISBN :4-88647-762-3

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■■はじめに■■

 

デジタル時代だからこそ、基礎的な文章能力が問われる!


 最近、某大学で、入試に電子メールによる論文提出方式を採用したという記事が新聞に出ていた。同様のことは企業でもすでに行われている。
 日本を代表する某商社では、入社試験の面接は電子メールによる受け付けが条件になっている。しかも学生面談の情報は社内データベースで誰もが閲覧できるようになっていて、インターネットへの習熟度と先輩との面接の両方で事前評価が決まるのだという。
(しかも、文章の中身だけでなく、どんなメールソフトを使って送信したかまでチェックするのだそうだ。パソコンにプリインストールされているOutlook Expressを使っている者よりも、定評あるシェアウェアのメーラーを使っている者のほうが、探求心が旺盛で自立心があると見られるのだろうか?)

 電子メールだけでなく、今やほとんどの文書が、ペンやワープロ専用機ではなく、パソコンを使って書かれる時代になった。
 会議のプレゼンテーションでは、従来型のオーバーヘッドプロジェクタに代わり、パソコンに直結して画面を投射する新型プロジェクターなどが採用されている。さまざまな画像や表をカラー印刷した資料も、印刷所に出すことなく、社内で簡単に作り上げることができるようになった。
 教育現場でも、かつてのようなコピー機を使った「切り貼り版下作成」よりも、簡単に再加工・再利用ができるテキストファイルでの管理術が必須になっている。論文も、原稿用紙にペンで書く時代は終わり、電子ファイルでの提出が求められる。

 ところが一方では、パソコンが使えないために、デジタル環境で文章を書く作業に大きなストレスを抱え込む人が後を絶たない。また、パソコンを使うという以前に、きちんとした文章が書けない人々が増えている。

 日々進化していくデジタル環境の中で、いかに内容のある、魅力的な文章を書いていくか? 本書は、この「デジタル文章作成能力」を、基本的な文章術、および、パソコンという現代の筆記具を使いこなす技術の両面から解説するものである。

目次

◆第一章 何のために書くのか?

●電子メールが引き起こした第二の「文章力重視時代」
οデジタル化は創造性に対する両刃の剣
ο電子メールがもたらす新たな「文章の時代」
●本当に「伝えたい」「知ってほしい」と思うことが第一歩
ο文章を書くときは、まず相手に「なにがなんでも伝えるのだ」という情熱を持て
ο自分だけが分かっているような文章では、何も伝えることはできない
●ラブレターを書くつもりでビジネス文書を書く
●情熱と「思い込み」は違う
●書くことで、自分の考えを再分析する

◆第二章 伝えるための技術

●文章技術の基本をもう一度見直す
οその「僕は」は必要か?
ο字下げと改行
ο文体の統一
ο主語述語の関係をチェックする
●IME任せの文章でよいのか?
ο「事」「又は」「有る」……古い文字遣いは、説得力が落ちる
ο記号類の使い方
■使いにくいキーボードは使いやすく改造してしまえ!
●悪文はなぜ生まれるか?
ο有名な悪文「コマンドまたはファイル名が違います」の意味
ο読む人間の気持ちになって言葉を選ぶ
ο誤解が生じる余地は含まれていないか?
οまず、主題を言いきる
●自信があるなら一気に攻める
οうまい表現とは「うまい言い換え」である
ο主張を生かすレトリック、殺すレトリック

◆第三章 文系の悪文/理系の悪文(タイプ別、デジタル文章攻略法)

●「書きすぎ」て、雑然とする文系型悪文矯正法
οアウトラインプロセッサって何?
οまず、目次を書いてみる
οメモもパソコンで入力してしまえば、後から貼り付けられる
οそれも面倒な「漫然型」の人は、とりあえず書いてしまってもよい
ο文章を「巻物」ではなく「カード」としてとらえる
●「要点のみ」で魅力のない理系型悪文矯正法
ο無駄と思える一言が説得力を増すこともある
οメールマガジンやニュースクリッピングサービスで自動的にネタ集め
ο類語検索で発想の転換を図る
οリズムと「揺らぎ」で、長文でも飽きさせない

◆第四章 デジタルであることの意味

●ワープロ専用機は「簡易印刷機」、パソコンは「ファイル作成機」
●入力する――知ってるようで知らない日本語デジタル環境
ο日本語IMEの選び方・鍛え方
οよく使う記号類は辞書登録する
ο「校正支援機能」で悪文を指摘してもらう
οクリップボード拡張ソフトを活用する
ο全角アルファベットは「日本語文字」である
ο半角仮名文字は存在しないと思え
οJIS、SHIFT−JIS、EUC、UNICODE
●保存する・管理する――悩む前に知ろうファイル形式の違い
ο3種類ある改行コード
ο保存メディアの選び方とフォーマットの違い
οMacユーザーほど「マックバイナリ」問題を知らない
●その文書・Wordで書く必要がありますか?
ο同じ文書ファイルでも、バイナリとテキストでは別物
ο10年後に読めなくなるかもしれないバイナリ文書
ο誤解されている「エディタ」
οエディタでできないことだけワープロソフトでやる
●データベースも「テキストで管理」が簡単
ο怠け者のための資料整理術
οGREPソフトはハードディスク全体を巨大データベースに変える
οみんなが幸せになれる合い言葉「CSV」
ο検索・置換・ソート機能活用法
●htmlはホームページ以外にもこんなに使える
οいっそhtmlでプレゼンしたら?
οデジタル出版への道

◆第五章 種類別デジタル文書作成術

●電子メールの使い方
οそのメール、なぜhtmlにするの?
ο嫌われる「引用」の多用
ο改行で「整形」すべきもの、してはいけないもの。
ο圧縮・解凍って何?
ο画像を添付するならJPEG形式で
οファックスで送るべきもの、メールで送るべきもの
ο電子メールが築く人間関係、壊す人間関係
●説明書
●企画書
ο何をどうしたいのか?
ο目的を絞り込み、表現を厳選する
οAIDMA的チェック法
●報告書
ο報告書にレトリックは禁物
●論文
◆おわりに



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